2010年7月26日月曜日

夏の京都旅行レポ「山玄茶(さんげんちゃ)」ランチ

京都の夏は暑い、、、っていうのに行ってしまいました。

この1年で4回目の京都です。
そのうち2回は出張ついで。あとの2回は完全プライベート。
うち3回は一人旅だったのですが、今回はkomaimu女史との二人旅でございます。

二人旅のメリットは「ご飯時の感動を分かち合える!」
食いしん坊同士だったら尚更。
幸いにもkomaimu女史も食いしん坊の部類に入りますので(笑)、「ここでご飯を食べたいんだけど、、」という意見もすんなり受け入れていただき、大変よろしゅうございました。

1日目。
本当は午前中に山崎にある「大山崎山荘美術館」を訪れる計画をしていたのですが、館内改装のため長期休館中であることが「前日に」(笑)発覚。
ランチの予約時間まで東福寺でまったりすることにしました。

去年の初めて訪れましたが、静かでとても癒されたお寺だったので、気に入ってしまった。
また、夏の時期、重森三鈴の庭はどうなっているのだろうか、、、という興味もあり。。



本当に人が居ない。
暑い日でしたが、広大な敷地には樹木が沢山あり、せせらぎもあるため、足をのばして風に吹かれながら庭を堪能しました。

といってもここは京都。汗
重森三鈴のモンドリアン庭は、日が当たる部分の苔は暑すぎて「緑でいられん!」状態。
くっきりと色が違っていました。w



苔を見に行くなら5月とか6月なのかもしれません。
でも緑のところは相変わらずモフモフしていて気持ち良さそうです。



模様が気になって仕方ない。
目に入った模様を写真におさめたくなる。
繊細な文様たち。ああ、ここにも、、ここにも!

そして東福寺本堂。
天井には堂本印象の『蒼龍』が睨みをきかせている。
この絵があることを知らずに格子から天井を見上げたら、この竜にびっくり!
どきっとしました。。。



今、wikipediaにて東福寺本堂について調べてみたら、、、

明治14年(1881年)に仏殿と法堂が焼けた後、大正6年(1917年)から再建工事にかかり、昭和9年(1934年)に完成した。入母屋造、裳階(もこし)付き。高さ25.5メートル、間口41.4メートルの大規模な堂で、昭和期の木造建築としては最大のものと言われている。天井の竜の絵は堂本印象筆である。本尊釈迦三尊像(本尊は立像、脇侍は阿難と迦葉)は、明治14年の火災後に万寿寺から移されたもので、鎌倉時代の作である

ということで、昭和9年に建て替えられている。時代的に明治生まれの堂本印象がこの竜を描いたとしてもなんらおかしくはない。
それにしても昭和期の木造建築として最大のもの、というところからこの絵がいかに大きいものかおわかりになると思います。どうやって描いたのか、気になるところです。

ちょっと怖いけど、大らかで勇ましく、感激しました。(クリックして大きな画像で見てください。)


東福寺でまったりとした後、予約していた「山玄茶」でランチをとるために祇園四条に向かいます。

山玄茶は、滋賀県の招福楼で副料理長を勤められたご主人が開いたお店です。
随筆家でもある森須滋郎が初代編集長をつとめていた「四季の味」という料理雑誌があります。
両親が読んでいて、私も子供の時から新しい号が出るのを楽しみにしていた料理雑誌のひとつ。
なんていうのかなあ、、、とっても落ち着いた感じの料理雑誌で、家庭のお惣菜から御馳走まで、本当に美味しいものを知っている人はこういう風に料理を作ったり、器を楽しんだりするんだ、、、と子供ながらに感銘を受けた雑誌なんですが、、、
その雑誌で「招福楼」という日本屈指の料亭があることを知りました。
子供の頃から覚えていたわけです。w

この先、私はそこを訪れることができるかどうかわかりませんが(笑)、その招福楼で料理をつくっていらっしゃった方のお店が京都にあることを知り、ランチだったら行けるかも!と期待に胸躍らせ伺いました。

京都特有のうなぎの寝床状態のお店なのに、ガラス張りの中庭があり、カウンターのある店内はとても明るい。お店のしつらえもとてもこざっぱりとしていて、目の前でご主人や若い料理人の方が次々と料理を仕上げて供してくれます。

最初に出される梅昆布茶で食欲増進。
暑いのでビールを注文。
京都での最初のランチに乾杯でございます。



先付けは、蓮根のすりおろしを蒸して作った冷たいお豆腐に、うにやエビ、オクラ。上品な餡がかかっています。
この葉っぱの演出が素敵でしょう?供される前に葉っぱに霧をふいて瑞々しさをプラス。
緑が目にまぶしい夏らしい演出です。


鱧でるかな?と期待していたところに、鱧のお椀が。
冬瓜と鱧の湯引き、ズッキーニの輪切りと黄にら、白髪葱があしらわれています。
お出汁の清々しさったらたまりません。普段飲んでいるお出汁よりも遥かに薄い味付け。
お出汁を堪能する、ってこういうことなんだ、、、とじんわり感動です。
普段、自分がいかに味を付けすぎているか反省。ご飯のおかずとしての料理と味付けは異なるのは当然なんですが、もう少し出汁を大事にしようと思いました。


お造りはサラダ風。
鯛にクリームチーズを巻いたもの。たこ。マグロ。トマトや生野菜。にんにくチップの砕いたのがほんの少々かけられています。
これにちり酢が添えられている。山葵をちり酢に溶いて、お造りの上にドレッシングのようにかけて食べるよう勧められました。

ちり酢の丸みに驚き。ちり酢だけでも飲める!w
お刺身をこんな風にして味わえることに感動です。



やっぱ日本酒じゃん。ということで、島根の王禄を注文。
夏だねえ。。



焼物は鮭。
鮭はさくらの葉っぱの塩漬けの上に。
これがいいんだ。。。魚にさくらの葉っぱの香りがうつって、、、最後の一口はさくらの葉っぱに魚の身をくるんと包んでパク。
椎茸を梅風味で煮付けたものも今まで食べたことのない美味しさ。はふーん。



八寸。ほんとうに楽しい。
ほおずきに入っているのは鱧の卵を寄せたもの。
もみじの奥にある小さな器は煮浸し。
その左は鯖寿司。
鯖寿司の手前にある小さな器はうざく。
もみじの下にあるのは、表面にさっと焦げ目をつけた卵焼き、ばい貝。
一番手前の白いのは、さつまいものシナモン風味。
茄子の天ぷら。生ハムメロン。
(うーん、これで全部か??何か抜けているかも。。。)
どれもひとつひとつ厳選した素材で丁寧に作られていて、もう宇宙です。夢中です。
和食ってなんて素敵なんでしょうねえ。



海老しんじょうです。ほわっほわ。茄子と万願寺唐辛子。
出汁はいうまでもない。
あ、この前に日本酒「酔鯨」を追加注文しちゃってます。w



香の物。
大根と胡瓜と梅干し。大根には隠し包丁が入れられていて食べやすい。
ご飯とお椀が出てきて、それとともに静岡の釜揚げしらすと実山椒をさっと炊いたのが出てきました。
と書くと、ちりめん山椒みたいなのでしょ?とお思いでしょうが、そうじゃないんですよね。
本当にやわらかい釜揚げしらすに実山椒を入れてお醤油などはいれずに白く炊いたの。
それをご飯にかけて食べるんですが、、、



ご飯はご主人の実家でとれたお米。お椀は赤出しの上澄みのシジミ汁。

うわー、、、やられっぱなしです。。お米の国の人だもの。ええ。涙



デザートはトマトのコンポートとレモンシャーベット。
この美味しい組み合わせを知った幸せ。。。
トマト、、、家でもコンポートにしてみようかな。。



最中の皮の中にはアイスクリームと粒あん。
ふっ。

ずずずーーー。お茶。



至福でございます。

ピュアな素材を最高の技術で調理されたものを身体にとりいれたって感じがしたよ。
食べ物に興味津々な私にとっては、ひとつひとつ口に運ぶ度に、味覚と視覚と聴覚と嗅覚と触覚と、、、五感全てをフル稼働。そして脳では「どうやって作ってるんかなー」と謎解き状態。あー、五感も脳も忙しいよ〜
なかなかこんな経験、出来ないよね。。

すごい料理人さんです。だって、こんな体験させてくれるんだもん。

今度は夜、お邪魔するぞ!と心に決めているアテクシです。

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