2010年1月22日金曜日

明治の写真

会社にあったこの本を今読んでます。
幸いにも文中に出てくる某業界の専門用語もちょっと理解できたりしちゃうんで、あっという間に半分読破。

政治、外交、経済、文化、、、色々なジャンルの歴史の中で、この人が居なかったら今の日本はないだろう、、という偉人的な人は沢山いる。
正二郎もそのうちの一人だろうと思います。

実業家としての信念、アイデア、推進力、お金の掛け方に驚きながら読み進めています。


まあ、正二郎伝とは直接関係ないのですがーーーーー


お正月に帰省した際、実家に残る明治〜昭和に撮られた写真の数々を父に頼んで物置から出してきてもらった。
10年以上前に一度見たことがあったけど、もう一度ちゃんと見てみたいと思って。

家の歴史を知っているのは今となっては父や父の兄弟しかいないわけで、一度ちゃんと聞いておきたいと思っていたので写真を見ながら「これは誰?」「これはどういう写真?」と父に記憶を辿ってもらった。

私のひいおじいさんは明治の頃、東京にある片倉商店という縄や筵(むしろ)などを扱う大きな商店で修行をした。片倉商店は全国に販路を持つ商社のような商店だったようです。
ひいおじいさんはその後、地元に戻って同じような商品を扱う商店を開いた。
小売店というよりは卸業のような感じだったらしい。
縄や筵のような商品はきっと当時は生活必需品として良い商材だったんだろうと思います。消耗品だったと思うし。
大きな倉庫の前で沢山の商品を積み込んだ何台もの大八車と従業員たちの姿を写した写真がありました。
写真を細かく見ると、さすがに髷を結っている人はいないけど、江戸時代かと思うような着物と足袋や草鞋姿。道はもちろん舗装などされておらず、ぬかるんだ土地の上に立ってカメラを見つめています。顔つきも現代人とは違う。でも力強さを感じます。
明治の後半になっても大半の日本人は江戸時代とあまり変わらない生活だったんじゃないかと思います。
正二郎伝でも大八車に沢山の足袋を積んで営業(行商)をする姿が描かれています。インフラも整っていないし自動車も無い時代。物を売って歩くのは過酷な作業だったと想像できます。

当時は草鞋&足袋の組み合わせが履物のデフォルト。大半の人が靴なんて持っていないわけで足袋は生活必需品。特に外で労働する場合、草鞋という履物は一日でダメになってしまうんだそう。
きっと私のひいおじいさんの商売では縄や筵を扱っていたぐらいだから草鞋そのものや、草鞋の材料になるような商材もあっただろうと想像できます。

再び正二郎伝。正二郎は「選択と集中」を基本に、足袋に的を絞って展開したことで、競争力をつけていきました。
さらにゴム底の地下足袋を売り出したことによって草鞋が不要になり、地下足袋が爆発的に売れるようになったわけです。
生活用品の素材が天然素材から化学的に作られたものに変化していく最初の時代だったんだろうと思います。
本を読みながら、写真を思い出しながら、その時代について思いを巡らせます。

私のひいおじいさんは大正時代の終わり頃か昭和初期に醤油醸造業に転業。
転業を決意した背景はなんだったのかひいおじいさんに聞いてみたい気がします。生活用品卸から食品製造業に転業するのって結構大変だったと思うし。どういう経緯だったんだろう?

実家の敷地内に醸造場があり、醸造場の表で運搬用の自動車3台と従業員たちを撮影した写真もありました。大八車が自動車になりました。
この頃になるとひいおじいさんやおじいさんは洋装姿。和装の人もたくさんいるし、女性は日本髪が普通の時代です。昭和10年頃の写真には2歳ぐらいの叔母の姿も。私の父はまだ生まれていません。
でもって、道路はまだまだ舗装されていません。まわりの建物も木造平屋の小さな家屋がほとんどで、まだまだ江戸時代と大差ないんだろうなぁという感じ。橋も木で出来ているし。


その他にもいろいろな写真があり、私と血縁がある人なんだろうけど、父に聞かないとわからない人が沢山登場してました。(わかんなくて当然だけど、、、)
写真の裏を見ると覚え書きが書かれているものもあり、「支那事変、○○サン出征ス」とか。。時代を感じます。

実家に古い写真が沢山残っていることは幸せなことだと思いました。
ひいおじいさん以前のルーツはざっくりしたことしか判らず、詳細を辿るのはほぼ不可能なんですが、明治期〜昭和初期のことがビジュアルとして残ってるんだもん。
アルバムにきちんと入れて大切に保管したいと思ったのですが、どうやって分類していいのかわからず、、、汗
おまけに写真から漂う独特な臭いに鼻がやられまくりでくしゃみが止まりません。汗


私のひいおじいさんはおそらく商才があるお人だったんだろうと想像しますが、一族の中にそういう商才に恵まれた人が現れたとしても、それを後の代まで引き継いで繁栄させるのは本当に難しいこと。
(商売という家業を一旦断ち切ってしまった私たち兄弟、、、。ひいおじいさんはお墓の中でどう思っているかと思うと心苦しいところも、、、)


1世紀以上、作った会社が残ってるってすごいことですたい。
このまま正二郎伝を読み進めたい気分なのですが、明日は大阪出張。
新幹線予約しちゃったので寝坊厳禁!!!

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