数年前に山梨の
サントリー白州蒸留所に行き、日本のウィスキー作りも素晴らしいなぁーと思った。
今回、大阪に行くためにいろいろ調べていたら電車で行けるところに
山崎蒸留所があることを知り、これは是非いかねば!!
JR山崎駅は天王山のふもとにあり、駅のすぐ前には千利休の妙喜庵(待庵)もある。
日本史にでてきたし、千利休の世界観に興味があり映画を見たり小説を読んだりしていた時期もあったので、ここも是非行ってみたかった。しかし、拝観には予約が必要とのこと。今回は断念。
千利休が水の良さに惹かれて茶室を作ったぐらいなので、ここの水は酒づくりにもいいはず。
山崎蒸留所はサントリー創始者である鳥井信治郎が大正12年に「日本のモルトウィスキー」製造に挑戦した地。歴史のある場所です。
天気は曇っていて雨がふりそうだけど、少し涼しいこの山の空気。気持ちいいです。
鳥井信治郎が明治32年に鳥井商店を開き、昭和4年に日本ではじめて発売された「サントリーウィスキー白札」から現在にいたるまでの歴史や宣伝ポスターなどが展示されたコーナーを見学ツアーの前にじっくり見る。
赤玉ポートワインの女性ヌードのポスターは有名ですが、このポスターにはびっくり。
[パネル解説より]
赤玉新聞広告
話題になった赤玉ポートワインの新聞1ページ広告。社会面のページいっぱいに、稚拙な筆書きの字で大きく「赤玉ポートワイン」と殴り書きされた広告に読者は度肝を抜かれた。「子供がいたずら書きした新聞を配達するとは何事だ!」との抗議が新聞社に殺到。この反響に寿屋の宣伝部は大いに沸いた。この広告により、「赤玉ポートワイン」はその名を世間に大きく印象づけた。(1920年1月11日)
さすがサントリーの宣伝部、すげいです。(汗)
1920年って大正でしょ?こんなことやってのけるなんて。
サントリーの宣伝部は山口瞳や開高健など、様々な文化人を輩出してる。こういう広告を見るとセンスのある人が集まる素地があった会社だったんだろうなーと思います。
この新聞広告ポスターの記事を見ると当時の社会状況が垣間見えますね。
他にも古い時代の瓶やラベル、ポスター、新聞広告、ノベルティグッズなど、見ているだけでわくわくするものが沢山あります。
さて、見学ツアーです。
実際に製造している工場に見学通路があり、一般に解放している。サントリーのお姉さんがわかりやすい説明をしながら案内してくれます。
山崎で最初に感じた香りは、穀物の発酵の香り。なんていうんだろう、、、あんまり身の回りにない香りで表現が難しい。家で甘酒を手作りしたときに嗅いだかも、、、
大麦をピート(泥炭)を燃やしながら乾燥させたあと、ステンレス槽ではなく、木樽で発酵させるのですが、木樽に山崎ならではの乳酸菌がいてその菌たちの働きにより「山崎」らしい個性が出るのだそう。
ここでも菌が大活躍!(わーわー
かもすぞ!)
蒸留釜も今日は12基のうちいくつかは実際に稼働していて、釜の中で麦汁が沸騰している様や、蒸留され出来上がったアルコールが水のように流れ出ているところも見る事ができた。
これらの蒸留釜、形がひとつひとつ違う。形が違うと冷却のタイミングや時間が釜によって異なるのだそう。同じ麦汁でもこの違いにより風味の違う原酒ができあがり、それを組み合わせる。
そうやって日本人の繊細な味覚を満足させているんだそうだ。
この段階では、まだウイスキーとは呼べず透明なアルコール度75%の強烈な液体です。
でも香りは良かった。
チャー(内側を燃やす)した木樽に詰めて熟成。チャーする様子は山崎では見る事ができませんが、白州蒸留所では見学することができます。
熟成庫の裏には天王山の美味しそうなお水が。
見るからに美味しそうなお水。
この池からすくって飲みたいぐらいです。
見学コースの最後に山崎と白州をテイスティングさせてもらえる。
水割りだったら水も氷もこの天王山から流れ込む山崎の水が使われている。ハイボールも山崎の水で作ったソーダ水。
こんな贅沢な水割りはないよね。
このあたりの住人のひとは、この水をいつも飲めるとしたら羨ましい!
左が「山崎」、右が「白州」。
こうやって比較すると「白州」の香りってすごくスモーキー!
「山崎」の方がやわらかくて華やかな香りがする。
ハイボールにして角煮や唐揚げなどの味が濃くて油の強い料理といっしょに。
水割りだったら鰆の西京漬といっしょに。
というのがおすすめらしい。
想像するだけでその意見に同意します。。
醤油や味噌、味醂などに絶対合うに決まってるな。これ。
食後酒として、またはチョコレートやケーキ類と合わせて飲むことが多いので、教えてもらった料理との組み合わせ、今度やってみよう。
帰りがけに、山崎12年のボトルを買いました。
(いつもシェリー樽のやつ選んじゃうんだよなー、、、汗。好きだからしょうがないか。。)
自然を感じながら、真摯なモノ作りの魂を感じられる場所。
おすすめします。
(電車で行くことをおすすめします。車やバイク、自転車を運転する人は試飲させてもらえません。)
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